遠方出張には、通常従業員に対して「日当(出張手当)」が支払われます。日当支給のあり・なしや金額については、各企業が定めた就業規則内の旅費規程によりますが、実はこの「日当」が節税につながることはご存知でしょうか。

課税の対象にならない日当を有効に活用することで、社員にとっても企業にとっても多くのメリットが生まれるケースがあります。今回は出張日当の仕組みと、日当を有効に活用するためのポイントをご紹介します。

なぜ出張すると日当がもらえるの?

日当とは、出張する従業員に対して会社から支払われる手当のことです。出張先で支払ったバス代やタクシー代などの交通費、ホテルに泊まるための宿泊費などの必要経費とは別に、出張すること自体への「手当」として支給されます。

では、なぜ経費とは別に手当がもらえるのでしょうか。それは以下のようなケースが考えられるからです。

  • 本来、自宅で食べるはずの食事を出張時には外食に振り替えざるを得ない
  • コーヒーを飲もうと思っても自宅で淹れられないので、お店で買うか喫茶店に入らなくてはいけない
  • 自宅で取っている新聞を読むにも、外で購入しなくてはいけない

このように、自宅にいるときはお金をかけずに手に入るものが、出張時にはすべて費用をかけなくては手に入りません。そういった雑費を補うために、会社から日当が支給されるのです。

日当を活用すると節税につながる?

税務処理をするうえで、出張時の日当を活用すれば会社の出費を抑えられ、節税につなげられます。その理由は以下の3点です。

1、所得税がかからない

通常、給与などの所得に対しては所得税が必ずかかり、その分天引きされますが、日当には税金がかかりません。なので受け取った日当は額面通り出張者の手元に渡ります。

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2、社会保険料の削減につながる

社会保険料は給与の金額に基づいて計算されるものなので、給与が多ければその分高くなります。しかし日当支給額は年収には反映されないので、社会保険料の軽減にもつながります。

3、法人税の削減につながる

出張者に支払う日当は、交通費や宿泊費と同じく「旅費交通費」として経費に含められます。経費が増えるということは結果的に利益が下がり、支出が増え、法人税の削減にもつながります。

日当の妥当な金額は?

日当の活用メリットについてご紹介しましたが、いくら非課税だからといっても、好きなだけ支給をして良いわけではありません。

一般常識と照らし合わせ、それだけ必要でその金額がいかに妥当なものかを認めてもらう必要があります。また役職ごとの設定や、会社の規模などを考慮した「出張旅費規程」を定めておくべきです。

それでは、いくらぐらいの日当が適性な金額なのでしょうか。目安になるのは同業種で同等規模の企業を参考にすることです。同じ規模の会社であれば、収益構造にそれほど差異はないでしょう。他社が日当をいくらに設定しているかを参照すると適正価格が見えてきます。

また、こんな調査結果もあります。

産労総合研究所が約3,000社を対象にした「2017年度 国内・海外出張旅費に関する調査」によると、回答のあった174社のうち、日帰り出張の日当を支給する企業は86.8%で、平均支給額(距離・時間・地域区分がない場合)は部長クラスが2,491円、一般社員は1,954円でした。

宿泊出張の場合は、日当を支給する企業は91.4%。平均支給額(全地域一律の場合)は、部長クラスが2,809円、一般社員が2,222円という結果になっています。このデータから読み取ると、出張日当は2,000~3,000円が一般的な基準だということがわかります。

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