仮払金(かりばらいきん)とは、企業が従業員へ一時的に渡す現金のことです。経費処理上は内訳が未確定なので「仮払金」という勘定科目で計上します。

仮払金処理には、従業員が経費を立て替えずにすむメリットがある一方、未精算のまま決算時期を迎えると使途不明金として課税対象にされるというデメリットもあります。今回のコラムでは、そんな「仮払金」の概要と注意点について解説いたします。

勘定科目「仮払金」とは

仮払金は、営業などで使う費用をあらかじめ従業員に支給しておく、一時的な現金です。その使い道と金額が確定したら直ちに精算し、仕訳をする必要があります。

「仮払金」のメリット

申請側
・経費を立て替えずにすむ

承認側
・金額が確定していない場合でも、業務に必要な費用を得られる

管理・記録側
・勘定科目と金額が確定していない出費であっても、精算のタイミングで仕訳(整理)できる

「仮払金」のデメリット

申請側
・仮払い申請だけでなく、精算の申請時にも手間がかかって面倒
・仮払金の対象となった業務終了後、精算の申請を忘れてしまうことがある

承認側
・経費精算をしないまま従業員が退職し、差額である未精算分が返ってこない恐れがある
・使い込みや横領といった従業員の不正につながるケースがある

管理・記録側
・仮払金を渡すための小口現金の管理、小口現金を管理する出納簿への記帳がわずらわしい
・申請者の精算忘れを防ぐために督促するのがわずらわしい
・決算書類に仮払金が残っていると、税務署や金融機関から内訳の説明を要求されることがあるのでわずらわしい

「仮払金」の仕訳例

仮払いをしたときの仕訳

出張費用が事前に予測できない場合に、出張旅費として現金で80,000円を仮払いしたときの仕訳例は以下となります。

借方 貸方
仮払金 80,000 現金 80,000

仮払金を精算したときの仕訳

出張旅費80,000円の仮払いに対し、実際に宿泊費、交通費で使ったのは75,000円と報告されたとしましょう。そのような場合は従業員から残額5,000円を受け取り、借方に現金 5,000円を追加します。

借方 貸方
旅費交通費 75,000
現金 5,000
仮払金 80,000

仮払金をオーバーした出費になったときの仕訳

出張旅費80,000円の仮払いに対し、旅費交通費で75,000円の出費があったほか、顧客の接待費として20,000円の出費を報告されたとしましょう。仮払金では足りない費用を従業員が立て替え、不足分を現金で従業員に支払う場合、現金15,000円を貸方へ追加します。

借方 貸方
旅費交通費 75,000
交際費 20,000
仮払金 80,000
現金 15,000

月末・決算時期は「仮払金」の未精算分に注意!

決算前に精算しないといけない?「仮払金」とは

仮払金は本来、業務終了後に速やかに精算し、仕訳するのが望ましいものです。

しかし月末や決算時期などの繁忙期にかかってしまうと、精算できないことも多々あるでしょう。

しかし仮払金の未精算分があるまま決算時期を迎えてしまうと、当期の経費に計上できずに節税効果が得られなくなるほか、使途不明金・使途秘匿金があるなどとと見なされ、法人税などの追徴課税が発生してしまうこともあります。

国税庁|法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)

精算忘れや不正使用を防止するためにも「仮払金を受けた業務を終えたら、速やかに精算する」といったルールを明確にし、運用していくべきでしょう。

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決算前に精算しないといけない?「仮払金」とは

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システム上で経費の立替購入や接待費用の事前申請などができるので、「仮払金」という勘定科目そのものを減らすことにもつながります。

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