企業で働くほとんどの人が経験するであろう交通費の精算。外出の多い社員にとっては、業務負担として重く感じている人もいるのではないでしょうか。
たとえば、月末に精算書を記入する際に、手帳やスケジュールを見返して、記録し忘れた移動経路を思い出そうと悩んだり、乗車区間一つひとつの運賃を検索して精算書へ記載したり、といったこともあるでしょう。
日常業務の中で行うにはかなり煩雑な処理なので、本来業務の効率を下げてしまっているかもしれません。
しかしIT化が進んだ現在では、さまざまなツールが登場しており、それらを上手く使えば経費精算の労力を大きく削減できます。今回はそんなコツの一つとして、SuicaやPASMOといった交通系ICカードの「履歴」機能の活用法を紹介します。
交通系ICカードの履歴を取得する方法
多くの人が毎日のように使っている交通系ICカードですが、このカードが交通費精算を「簡単にする」カギを握っています。ICカードは運賃を支払うたびに、乗車駅と降車駅、運賃が記録されていく仕組みになっていて、この履歴は書きだすことができるのです。
履歴は駅の窓口や自動券売機等でも書き出せるので、実際に自身のICカードから使用履歴を打ち出してみるとわかりやすいでしょう。
方法は簡単です。自動券売機へカードを挿入すると「履歴印字」のボタンが画面に表示されるので、それを押すだけです。リスト形式で領収書と同じ用紙に印字した形で履歴が出力されます。
経費精算をICカードの「履歴」で簡単に精算する2つの方法
ICカードに登録された利用履歴を経費精算に活用するには2つの方法があります。
- ICカード履歴の出力データを申請時に参照する
すでに触れた通り自動券売機などでICカードから履歴を書き出して、申請書の作成にあたって参照する方法です。機械的に書き出された履歴を元にすれば、移動経路を思い出すのに苦労したり、一区間ずつ運賃を検索しなおしたりする必要もありません。 - 社内にICカードリーダーを用意する
SuicaやPASMOの場合、社内にICカードリーダーを用意すれば履歴を簡単に取得できます。特に、パソコンを使って申請書類を作成する場合や、オンライン申請システムを整備している場合は、読み取ったデータをそのまま流用できるので、交通費精算作業の負担軽減が期待できます。
またタブレット端末でICカード履歴を読み取るものもリリースされています。専用アプリなどをインストールすれば、カードリーダーを準備せずに済むため、整備の負担も比較的少なくて済むでしょう。
ICカードで交通費精算をするときの注意点
ICカードの履歴を活用するには、気をつけなければならない点もいくつかあります。
- ICカードには履歴件数の上限がある
ICカードに記録できる履歴件数には上限が設定されています。上限の20件を超えないうちに精算処理をする必要があります。
さらに1日21回以上使う場合は印字されないなど、さまざまな注意事項がありますので、利用するICカード提供会社の上限数や制約はよく確認しましょう。
- 公用・私用の履歴が混在してしまう
打合わせなどのために外出で使用した交通費支払いと、私用で出かけたときの支払いを1枚のICカードで行っていた場合は、精算のときにそれらを判別して処理しなければなりません。 - タブレットの場合は機能を確認しアプリインストールなど準備をする
タブレットをICカードリーダーとして使用する場合は、SuicaやPASMOデータを読み取る機能を搭載しているかを確認する必要があります。また、システムの準備にあたっては、アプリをインストールをする必要も出てくるでしょう。
このような注意点を理解した上でICカードを活用しましょう。
交通費の記入金額の間違いや申請し忘れなどもなくなり、スムーズな経費精算ができるようになるはずです。
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